ひと昔まえの「芸術教育」といえば、音楽や美術の授業を指し、著名な音楽家や世界遺産に登録されるような作品などを鑑賞し、その作家の半生を学ぶなど、「芸術の知識」を学ぶことがが多かったように思われる。もちろん、演奏やデッサンなどを学んだり、見本に従って作品を組み立てる?などのスキルの習得もメインであった気がする。現在でも教科書を見れば、変わらず有名な楽譜や作品などの紹介がみられ、「芸術」とは「世界的に求められた権威ある作品」を指すことである…かのような内容が多い。
しかし、その「芸術作品」には、その当時の文化や歴史的事実、人々の生活が反映され、そこに想いを馳せながら、自分なりに自由にイメージし、そこから多くのことを学び取ることの方が重要ではなかろうか。死後、有名なった作家の作品を見ながら、「なぜその当時は評価されなかったのか」「なぜ現代では評価を得るようになったのか」など、「芸術作品」を通して学べることは多いように思われる…。もし、「ゲイジュツ」を、文化や歴史、教養などを身に付ける学問として学べることができれば、生徒の思考や探究心が格段に広がっていくはずである。
しかも、例えば、日本が世界に誇るべき「漫画」の世界観や「Kawaii」文化、「歌謡曲」や「J-POP」で使われるフレーズの変化など、一見すれば「芸術」ではないのかもしれないが、文化や歴史を学ぶ観点から、グローバル社会に生きる生徒たちの観点から見れば、大いに「学問」の入り口となり、興味や教養を広げることになるであろう。このような「ゲイジュツ」的な視点を持ち、「教養」として考えていけば、「次世代の芸術教育」となるかもしれない。世界の多くの学校では、「芸術教育」に力を入れ、そこから自国の文化や伝統、歴史的背景を知り、教養を深め、グローバルな視点を持ち、社交界や産業界では「天気」の次に、話題になるものなのである。
さらに、次世代のAIとの協働社会において、「ヒト」ができる仕事の大きな部分を「デザイン力」が占めることになるともいわれている。「デザイン」する力は、その要素となる色や形、相手に与える印象や好まれる傾向などを総合的に合わせて、発見していく「学問」である。特に、女性の特性を生かせる仕事の分野として、「デザイン」や「企画力」などで能力の発揮を求められることが多い。それゆえ、「ゲイジュツ」としての素養を持ち、「デザイン力」があることは、相当大きなアドバンテージになるはずだ。
次世代の学びを考えれば、文化や伝統、歴史的背景を理解するために、教養としての「ゲイジュツ」教育は不可欠な学問となるであろう。「教養」を広めていくためにも、「デザイン力」を身に付けるためにも、その入り口となる「ゲイジュツ」を身に付けておくことが求められることになるであろう。
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