「教育課程の変化」と「学び方」・「教え方」の変化③

2022年度より、高校課程の学習指導要領が変更となり、扱われる単元や内容、アプローチ法などに大きな変化がみられる。事前に各教科の内容を拝見したが、今までよりも「思考力」や「探究力」を求められるようになり、より「実社会とのつながり」を意識しているように感じられた。学ぶ内容やアプローチ法が変われば、もちろん指導法も変わってくる。「今までの学び」のように、知識を集約することは必要なことであり、圧倒的な基礎学力がなければ、探究型の学びにもつながらないので、主に講義型を通じての知識の習得は続くであろう…。しかし、一方で今まで以上に「思考力」や「探究力」を求められるようになると、「知識の活用」や「組み合わせ」が重要となり、それを促す指導法、すなわち教え方にも変化が求められるようになる。

 

「探究型の学」が主流となったときに求められる指導法の1つは、「学びの場」である授業で生徒たちの思考力を導き、「自分なりの解」への気付きを与える「ファシリテート力」となるだろう。「チョークアンドトーク」といわれるような、「知識を与える」という授業スタイルではなく、「知識に気づかせ、広がりを持たせ、解がある場合には、そこに導く力」という授業スタイルが求められることになる…。このような「授業を誘導する力」=ファシリテート力が、教員に求められるようになるが、海外での学びやインターナショナルスクールなどでの経験がなければ、ファシリテートする授業スタイルをイメージすることは難しいであろう。現在のほとんどの教員には、この経験がないので、「探究型スタイルでの授業」の実践、「学びの場をファシリテートする」といっても、すぐにはできないであろう…。かつて、「アクティブラーニング」が、浸透せず有名無実化に近くなったようなことになるかもしれない。「アクティブラーニング」は、学び方の「スタイル」「アプローチ法」であったので、様々な工夫と教員のスキルの向上で順応できたが、「ファシリテート力」を求められる探究型の学びでは、直接生徒たちにかかわるので、本格開始となれば、時間的な余裕はあまりないともいえる…。

だが、「探究型の学び」を指導をする中で、円滑に運営できる手法がある。それは、ファシリテートの指針となる「ルーブリック」である…。「ルーブリック」の必要性については、次回に述べたい。

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