次世代の教育には「コンピテンシー」が必要である

近年、コンピテンシー(competency)いう言葉を耳にする機会が多くなった。もともとは、心理学的用語から、ビジネス用語に取り入れられ、育成や能力開発、人事評価に用いられてきた概念であった。「高い成果を出すことができる人に共通してみられる行動特性がどのようなものであるのか」「普段どのようなことを意識しているのか」「どういう理由で、どのような行動を選択しているのか」など、高い成果を出せる人の思考や行動を分析し、その特性を見つけ出して、個人の育成や組織運営に生かしていくためのものであった。

しかし、「知識」や「技能」と異なり、可視化や言語化がしにくい分野であるため、教育の中で取り上げる機会は少なかった。しかし、本校(神田女学園)をはじめ、次世代教育を行う学校では、「コンピテンシー」を伸ばす教育や、そのためのプログラムを取り入れているところが、少しづつ増えてきている。もともとは、「高い成果を出せる人の行動様式」を示した理論であるから、「生徒=個人を育てる」ために用いるのは当然のことであろう。学校生活の中で、「集団の中でも感情に流されず落ち着いて判断ができる冷静さ」「率先して行動した上で状況に応じて軌道修正をする行動」や「初対面の相手に対して好印象を与えるコミュニケーション能力」「論理的に考えて、自分の意見を適切に伝える力」なども、コンピテンシーの一部であるからだ。さらに、「問題解決能力」といわれるような「問題の本質を見極めて解決を図る思考と行動」なども含まれるとすれば、学校教育において「コンピテンシー」こそ不可欠な要素なのかもしれない。だからこそ、次世代の教育を目指す以上は、学校教育の中でこそ「コンピテンシー」の育成に重きを置いた方が、生徒を成長させることができるはずである。本校を含めた、いくつかの学校では、早い段階で、このことに気が付き、言語化されていなかった「学校での行動規範」を言語化し、コンピテンシーを意識した教育を始めている。

本校(神田女学園)でも、これらのコンピテンシー教育を「品格ある個人に求められる主体的で協働的な行動規範」と定義し、学習や学校生活のあらゆる場面で個々の生徒へ意識させている。自分の行動そのものが、「動機」や「価値観」に基づいて行われていることを意識させ、「自分なりに高い成果を求めての行動規範」になることを考えさせている。そのためには、日頃からの「コウドウ思考」や「コウドウ規範」が重要であり、これを自分なりに身に付ける環境として、女子教育の方が適していると考えている。それは、他の要素(女子の場合には男子)で左右されることなく、自分の中で決めることができ、主体的に思考し協働できる場面が多いからである。

「成果につながる行動特性」=「コンピテンシー」を、「品格ある個人に求められる行動規範」として、学校生活の中で実践しているのが、本校(神田女学園)であり、次世代の教育を実践しているからこそ、在校生が高い評価をいただいていると考えている。

 

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