2年ほど前、神田女学園では国内の私学で初めて、「現地型ダブル・ディプロマ プログラム(DDP)」をスタートさせた。当時は、校内に海外の高校をお招きし、校内で2つの授業を受け、修了資格を認定するという「国内型DDP」が先行して始まっていた。国内の学校で修了資格を得ることで、大学入学に向けて大きなアドバンテージを得て、高い自己実現を成し遂げた生徒たちが多数いたと聞いている。一般的な大学入試の枠組みを超えた新しい可能性を感じていた。
一方で、国内の授業で現地校の修了資格を得ることに少々の違和感を感じていた。なぜなら、グローバル人材を目指し、世界に通用するコミュニケーション力を本気で身に付けたいと考えるのなら、現地で学び、多文化や多言語に触れ、その中で自分を成長させ、その結果として修了資格を得ることに意味があるのではないか…と考えていたからである。
それゆえ、本校では「現地型DDP」という学びのスタイルを考え、本気で海外の高校で学び、海外大学を始め、国内の大学にも大きなアドバンテージをもって進学できるプログラムを検討したのである。現地で学ぶことで、大学入試に有利になることよりも、多様な価値観に触れる機会を多くすることに重きを置いたのである。おかげさまで、高い志を持ち、初めてのアイルランドへのDDP生を送り出すことができただけでなく、彼女に続きたいという希望を持った生徒たちが、本校に多数入学している。
姉妹校のニュージーランド、世界各国で留学生を募っているカナダのインターナショナルスクール、そしてアメリカでのオンラインをミックスした「ブレンディッドDDP」と、様々な学びのスタイルにあったDDPプログラムを準備し、コロナ禍ではあるが、多くの保護者や生徒たちが夢の実現の一つの可能性として、DDPを選択していただけるようになった。
また、本校の取り組みは海外の高校で知られることになり、世界中から多数のお問い合わせをいただき、国内の受験生よりも知られることになっているかもしれない。国内の私学でも、現地型DDPの取り組みを始めた学校が増えつつあり、数年後にはグローバル系私学のトレンドになるかもしれない。
そのような中、本校では、第5のDDP教育提携校ができる可能性がある。アイルランド・ニュージーランド・カナダ・アメリカの各国に教育提携校があるとすれば、残りは「イギリス」である。教育水準も高く、英語の学びだけでなく、文化的にも歴史的にも豊かな国であり、なおかつ海外大学への進学も多様な可能性を持っている。仮に次年度に本格的な提携協議が進めば、新たな学びの環境を提供でき、かつ生徒たちの選択肢がさらに広がることになる。
DDPという、生徒たちにとって新たな選択ができるプログラムを始めようという、ほんの些細なきっかけから、わずか3年で、5か国にも広がることになった。現地で2年間学ぶという学力面でも経済面でもハードルは高いが、選択肢を示せることは、在校生にとって大きな「勇気」につながると思う。たとえ自分が参加できなくとも、「勇気」をもって果敢に挑戦するクラスメイトや先輩がいるだけでも、人生にとって大きなプラスの影響があるだろう…。
ちなみに、イギリスで提携を検討している学校は、上位10%に含まれる伝統の女子校である。歴史が深く、上質な環境の中で、最高水準の教育を受けていく…。そんなDDPに参加できる生徒たちは、より多くの学びができるだろう。
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