2021年度 高校入試への意識変化③

本校(神田女学園中学校高等学校)は、女子教育校の中でも数少ない「高校募集」を行っている学校の一つである。以前の考え方であれば、私立高校は公立高校の併願校(滑り止め)であり、定員を超えるほどの中学卒業生がいた時代には、女子のみの募集でも一定数の入学者はいたが、卒業生の数が減少するとともに入学者が減っていくものである。本校でも、このトレンドには逆らえず、ここ数十年、高校入学者数には多くの苦労があった…。

しかしながら、今年度一定数の入学者を確保でき、しかも本校の改革が始まって3年間で右肩上がりである。本校の教育理念や各種のプログラムに支持が集まり始めてきたことは、その要因の一つであるが、それ以外にも「女子教育校」に鍵があると感じている。それは、私学が公立校の併願としての立場を終え、「教育の魅力によって、学ぶ場所を決めたい」という意識の変化、特に「良質な女子教育の環境」を求めているご家庭が多くなったからではなかろうか。

実は、教育の先進国といわれている欧米で、その風潮が顕著にみられるようになっている。イギリスの「THE NINE」に代表されるような伝統的な名門校の中に、多くの別学校が含まれているだけでなく、別学の教育的意義を称賛する論文が数多く発表されたり、アメリカやフランスなどでは、「共学校を別学校にする動き」が目立ってきているのである。日本国内では、「共学化する動き」が活発化しており、ここ数年も「共学校ブーム」と言われている現象が起きているが、世界の教育の潮流は「別学志向」であり、ジェンダーギャップの少ない国ほど、別学での学びを大切にしているのである。もし、「グローバル教育を…」「グローバルスタンダードの教育を…」という先進的な学びを取り入れるとすれば、別学は条件の一つになるはずである。

日本の「ジェンダーギャップ」が、世界の主要な国々の中で120位程度という現状から考えれば、今後10年以内には、女性の活躍の場が増え、それに伴い別学に対する意識も変わるのではなかろうか…。しかも、良質な学校環境とプログラムを備えているところが注目されるであろう。実際に、教育への関心が高いご家庭や「未来を基準」にして学校選択をしている方に、本校は支持されているという手ごたえを感じている…。

「女子教育校」が貴重な時代になれば、その教育の本質を見抜き、その環境を求めてくるご家庭が多くなる。いつの時代でも、どのご家庭でも、「わが娘の幸せを…」と願うのは当然のことである。そのための教育環境、教育プログラム、学校生活を探し、それにふさわしい学校であれば、「教育で学校を選択」していただけるようになるはずである。その変化を、ここ数年で強く感じているし、また本校も、そのトレンドを作り始めている気がしている…。

ちなみに、全国における女子教育校は、全体の7%であり、さらにミッション系や大学附属でない女子教育校となると、さらに「レア化」する…。さしずめ、ポケモンカードで言えば、「リザードンのHR仕様」あたりであろうか…。

 

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