この時期だからこそ、海外留学へ挑戦する意義②

まもなく2021年度がスタートする…。今年度のような状況から、少しは改善していることを望むが、海外留学の状況は、今しばらく変わらないであろう…。本校(神田女学園)のようなグローバル系の学校は、留学が難しいことで、受験生からの支持に陰りがさすのでは…という予測も頂いてはいた。しかし、昨年度より約1.5倍の入学者をお迎えすることができそうである。

この背景には、本校が留学を単なる「英語のアウトプットの機会」や、まして「大学入試のためのキャリア形成」のためではない、明確な理念があったからだと考えている。「現地でしかできない本物を学ぶ」ことをコンセプトにしているからこそ、留学が難しい時期でもご支持をいただけたのだと感じている。むしろ、「海外留学に備えて、どのような準備をしているのか…」ということの、ご支持をいただいているのかもしれない。

海外留学を「英語のアウトプットの機会」ととらえている学校では、同じような「アウトプット」ができればよいことから、「Webでのプログラム」に切り替えて実施した…という話も聞く。確かに、「英語を話すこと」を目的とすれば、海外に行くことなく、時間や費用に縛られることもないので良いかもしれない。あるいは、「キャリア形成の一つ」であれば、別のキャリアを積み重ねればいいのであって、海外留学の時間を「検定試験合格のための時間」に費やした方が、大学入試には実行効率が良いかもしれない…。

しかし、「海外に留学をする」ということは、現地でしかできない学びをすることであり、Webや資格試験だけでは補えきれない意味があると考えている本校では、来たるべき日に備えて、学内のリソースを活用し準備を重ねてきている。もちろん、Webを活用する「留学」や「姉妹校交流」なども実際に行っている。例えば、アメリカの教育協定校と結んで、Webでの「ブレンディッドDDP(ダブル・ディプロマ)」やオンラインでの姉妹校交流などである。ZOOMやMeetを用いての交流は、相互のコミュニケーションスキルを高めるのには非常に有益であり、「アウトプット」をメインにした学びであれば、むしろ海外への渡航は必要がなくなる分、効率が良い。「本校はWebのみで海外と交流します!」と宣言した方が、中途半端な留学を後押しするよりは、よほど良いかもしれない。

「オーラル」の授業ではグループで学び、「オンライン」のレッスンではコミュニケーションのフレームを作り、そして「KーSALC(本校独自の言語運用能力を高めるプログラム)」ではネイティブ講師と自分の言葉でコミュニケーションをとる…。これらの学びを通じて、「英語でも伝える」ことができるようになっていると感じ、だからこそ、結果的に検定試験の合格率が非常に高くなったり、帰国後も高いレベルで学びたい帰国生に、ご支持をいただける教育になっているのかもしれない。

そして、次年度からは「英語で教科内容を学ぶ」=オールイングリッシュ授業を本格的に取り入れることにしている。これは、「イマージョン授業」とも呼ばれ、教科の学びを「英語でも学び理解する」ことである。英語の習熟度が高い生徒には、すでにオールイングリッシュ授業を一部で提供していたが、これを正式に全学年で取り入れ、アドバンストグループでは17コマ(全授業の50%)を、スタンダードグループでは10コマ(全授業の30%)を英語で行うことになる。これに上述のプログラム合わせて学べば、学校生活の多くで「英語が当たり前の環境」になるだろう。「英語を学ぶ」ことは、海外でアウトプットすることだけではない。

このように、「留学」が難しい時期だからこそ、今ある環境を「リュウガク」ができる環境にすることが必要ではなかろうか…。本物のグローバル教育とは、国内外に限らず「自分を語れる」「多様性を理解する」ことでもあるからである。

 

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