高校入試への意識変化②

本校(神田女学園中学校高等学校)の2021年度高校入学生は、約150名となった。これは、約20年ぶりの入学者数となる。本校入学者の多くが、DDP留学を始め、中長期留学や英語教育に高い関心を持っているのであるが、この20年で高校受験の市場は、明らかに変化している。

20年前を振り返ると、公立高校が全盛の時期でもあり、多くの受験生が「併願先」として私学を選んでいた時代でもある。それ以前の本校入学者数を調べると、約300~400名であるので、相当な生徒が本校だけでなく私学を「併願校」として選んでいただいていたことがわかる。もちろん、中学3年生の総数も多かったことから、高校入試においては豊かな時代であった。一方で、受験市場全体でみると、約20年前から「中学受験」が活況となり、男女問わずに早い段階から「私立中学」へ進学していた。また中高ともに、今で言うところの「新興共学校」ブームでもあったため、多くの受験生は高校受験を待たずに、勢いのある共学校へ進学していただろう。「私立中学受験」「共学校ブーム」などが相乗効果となり、受験市場は活気に満ちていた。本校は、その中での「女子生徒」のみの高校募集であったから、しかりとした教育やプログラムが求められたことであろう。

しかし残念ながら、このムーブメントに乗ることができず、苦しい時代を迎えることになった。毎年100名以上も総生徒数が減少する時代に入ったのである。この20年間の市場変化の中で、多くの女子校が共学化し、生徒が集まったところもあれば、残念ながら変わらない学校も多数出ている。共学したことで生徒が集まるのは一部の学校だけとなり、単なるハードの変化だけでは、学校の価値を上げることは難しくなったのである。振り返れば、現在の「人気女子校」は、この時期に、学校としての魅力や優位性、大学合格実績に伴う偏差値の向上、合わせて学校価値の向上などに余念がなかったに違いない。

多くの女学校が淘汰されていく中、本校は時代の変化を、じっと待ち、派手ではないが、地道な「改革」と「純化」を進めていたのである。校舎の建て替えや英語教育への強化、多言語の学び、留学プログラム、ICT化など…。当時、どの学校でも取り組んできたことであるが、それを真面目に準備してきた。だからこそ、2019年からの学校改革で、この時期の取り組みを、開花させることができたのである。しかし、それは難しいことではなく、本校の社会的使命に気が付き、本来の教育力を取り戻したことに過ぎない。

「丁寧な生徒指導」は、「個別最適化の指導体制」へ、「英語と第二外国語教育」は、「多言語教育」や「言語運用能力教育」へと、「留学プログラム」は「DDP留学」へと…。様々なリソースを言語化し、唯一のプログラム化に変えることができたことで、「教育に関心の高い層」に注目をいただくことができたのである。すなわち、「他に代えがたい教育」をすることによって、従来の公立の「併願校」としてのポジションから脱却したのである。

「プログラムの唯一化」は、受験生が本校を第一志望にすることにつながる。第一志望で入学す生徒が増えれば、「帰属意識」が高まり、学校生活や教育活動に主体的に取り組む意欲が生まれ、学内の仕組みが改善されていく。そうなれば、学内に活気が生まれ、なんとなく選択されていた学校が、「入りたい学校」へと変わるのである。生徒の意欲が変われば、当然教職員のモチベーションも高まる…。すなわち、全てが好循環を生むようになるのである。

「唯一の教育プログラムを作ること」、これが本校の入学者数が増えた一要因である。大学合格実績が出ない、あるいは偏差値が高くない学校は、生徒は集まりづらいというのが、受験マーケットの共通認識であったが、大学実績も、偏差値も、さほど上がっていない本校が、受験マーケットに新たな価値観を与えるきっかけになったのである。しかも、共学もせず、附属や系列校にもならずに、不人気が続いていた女子教育校で…。

そして、「唯一の教育プログラム」に、さらなるファクターを加えた…。その内容については、次回で紹介したい。

 

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