「アクティブラーニングスタイル」や「探究型の学び」など、学習者が主体的に学習に臨むスタイルが、近年度は浸透してきている。もちろん、「知識集約型の学び(講義型)」は、基礎学力を高めるに必要であるし、知識の体系化には不可欠である。「探究型の学び」のように、次世代の学びのスタイルが浸透すれば、「学ぶ方法」も変わるのであろうか?「探究型の学び」では、身につけている知識を活用し、変容させながら「最適解」に近づいていく学習となるが、このような変化に対して、どのように「学ぶ方法」を変えていくのが良いであろうか。
学習者となる生徒たちにとって、「講義型の学び」よりも「探究型(主体的に学ぶスタイルの総称として…)の学び」の方が、取組み易いし、モチベーションに繋がるのは事実である。学び方のスタイルも、個人だけでなく、グループでも、学外の他者とのつながりもあるし、アウトプットの機会も格段に多い。一方的な「知識の集約」だけでなく、「知識の活用」に重きを置いてるので、考える幅は広がっていくであろう。「探究型の学び」のスタンダードとして、疑問に対しての仮説や検証を行いながら考えを深め、他者との比較や議論などで、最適解に近づき、そのうえで「自分なりの考え」を自由に述べられる機会もあることから、今までとは違ったアプローチでの「大きな学び」に繋がる。この意味で、「探究型の学び」は次世代の学びであり、これから求められる能力を身につけるのに適している。
しかし、その一方で、「探究型の学び」では、ベースとなる「知識」がないと、議論の幅も広がらず、相手の考えも理解できず、場合によっては、自分の考えを伝え、理解してもらうことも難しくなり、単なる雑談や解を見出せない時間を過ごすことになる。また、設定される疑問や仮説が、そもそも学習する意味が薄いテーマであったり、最適解に近づくことなく際限なく広がったりするのなら、あるいは学習者の「現在の学習レベル」を超えるようなテーマ設定であるとするなら、それは「探究型の学び」とは言えなくなるのではなかろうか。
したがって、「学び方」が変わっても、「知識を身につける」ということには変わりはない。「探究型の学び」とは、「既知の知識をどのように活用するのか?」ということになるのかもしれない。今までのように、既知の知識を正確に示すだけでなく、未知の課題に対して、既知の知識を当てはめていき、最適解を求めるように思考を深める活動が「探究型の学び」であるといえよう。
仮に、これを1つの学び方と定義すれば、当然「教え方」にも変化が求められることになる。「教え方」の変化は、「学び方」の変化以上に難しいものであるが、これができないと、「真の学び方の変化」とは言えないのである。
では、どのように「教え方」、すなわち「指導法」を変化させていけばよいのか?次回に、述べていきたい。
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