以前は、「留学」することが、生徒のキャリア形成において希少価値であり、例えば3カ月でも海外で生活をすれば、「留学経験あり」として評価されていた。しかし、時代が変わり、2週間程度の留学(語学研修)はもちろん、3カ月のターム留学でも、アドバンテージのあるキャリアとしての評価は下がってきている。
近年では、少なくとも半年、できれば1年以上の留学が、その生徒の「海外でのキャリア」として評価されるようになってきている。しかも、「留学」をすれば、英語力、特にコミュニケーション力が高い(高くなる)というイメージがあったが、現在ではICTの発展もあり、いつでもどこでも「英語でのコミュニケーション」が取れるようになり、「留学」の経験だけで、英語のアウトプットが上達しているとして評価することが少なくなってきている。もし、高い英語力を評価する「キャリアアドバンテージ」や「入学試験」を想定すれば、国内で信頼の高い検定等でスコアを出した方が良いし、「Webを活用したレッスン」の方が、コミュニケーション力もキャリアも高まる。
それでも、「リュウガクする」あるいは「リュウガクさせる」のは、なぜなのであろうか?本校でも「リュウガク」をすることを奨励しているが、英語力の強化や異文化との体験だけが目的ではない。本校には、独自のDDP(ダブルディプロマプログラム=現地校の卒業あるいは修了資格を修めて帰国するプログラム)もあるが、このプログラムには、別のコンセプトがある。高い評価をいただいているDDPは、約2年間にわたる留学となり、留学の費用や安心・安全な生活環境、そして現地での学校生活を考えれば、「誰でも…」というわけにはいかない側面もある。
しかし、中長期留学でも、国内でも、「留学」以上に意味のある学びをすることができる。その答えの1つは、「英語のみで学ぶこと」であろう。「留学をする」ことには、英語力の向上をイメージするのであろうが、上述のように国内でもできるようになり、異文化との交流も国内に多くのネイティブの方もいるし、ネットなどで私たちのスタイルとは違う環境を見ることもできる。確かに現地での生活を通しての異文化体験はできないが、どうしても滞在する期間が長く求められるので、限られた時間のある中高生には難しいといえる。
だからこそ、「留学」をして得られる「もう一つの学びの本質」である、英語でも理解できる・英語でも伝えられることを求めていけば必然的に、「英語のみで学ぶ環境」に行き着く。もし、「留学の本当の目的」を、「英語のみで学べる環境」とすれば、単純な語学研修での英語のアウトプットや観光に近い異文化体験型の留学ではなく、「現地の生徒とともに英語のみで学びあうこと」になり、その環境が整って初めて「リュウガク」といえるであろう。その「リュウガク」には、教え方や考え方の違いだけでなく、授業のスタイルや学び方の違いもあるだろう。現在の学習環境では得られなかった「学び」を得ることになるだろう。これこそが「リュウガク」をして手に入れる財産なのである。
ぜひ、これから留学を目指す生徒や保護者の方は、「英語のみで教科の学びができる環境」で留学先を選んでほしい。
しかも、このような学びを国内でもできる環境ができつつあると聞いている…。それは次回に紹介したい。
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