一斉休校の余波 ③

4月に入り、いよいよ休校措置も長期化する気配となってきた。教育業界では、3月中は休校で、4月からの新年度に備えるだろう…という予想であったが、国内の感染者の増加や海外での想像以上の拡大、著名人が亡くなったことなどで、より一層の自粛が求められるようになっている。休校の措置を取っている以上、不急不要の外出などを避けて、1日も早く通常の社会生活が戻るのを待つしかない。

神田女学園では、早々に4月中の生徒の登校は取りやめ、教職員の出勤も担当者制とした。また2週間ごとにスケジュールを立てて、生徒と教職員、その家族の健康と安全を第一に考えて、臨機応変に対応できるようにしている。生徒だけでなく、教職員も自宅での勤務・テレワーク等ができるスキルを身につけたのは、心強い限りである。いわゆる「コロナ後の社会」で、今回学んだことがどのように生かされるのであろうか?少なくともオンラインや在宅勤務でのスキルは必要な能力になるに違いない。

さて、3月上旬に行ったオンラインでの課題等の確認であるが、期日前後を含めて提出率は100%であった。もちろん学年評価の対象となるので、生徒も高い意欲をもって取り組んだのであろうが、それ以上に日ごろの先生方の指導の成果だと感じている。課題に対するレポートでの提出や動画を見て解答するスタイル、指定の時間に問題を送信し解いていく方式など、先生方は様々に工夫してくれたようである。このような取り組みを通じてみて、オンライン授業での対応もそうであったが、日ごろから取り組んでいたことや意識して指導したことしかできないものだ…と改めて感じた。教育業界でも、急速なオンライン化が進んでいるように聞いているが、機材だけあっても、すぐにできるものではないと思う。日ごろの教育活動で、どのように活用し、どのようにリテラシーを含めて対応しているかが、教育のオンライン化の成否になるように考えている。

そして、本校の卒業式であるが、予定通りに挙行させていただいた。高齢の方が多い来賓はご遠慮いただいたが、それ以外は、例年通りとさせていただいた。しかし、入学式はあえて延期させていただいた。ある学校では、生徒のみで簡潔に…やオンラインで…という話も聞いているが、本校のスタンスとして、卒業式も入学式も、生徒と保護者への感謝を示す機会と考えている。形式だけの式典なら延期の方が良いという判断だからだ。社会情勢が落ち着いた後、この判断は、どのように評価されるのであろうか?感染拡大の収束が見えない中で、いたずらに中止や延期を繰り返すのは、新入生にとっても良くない状態だと考えている。

緊急事態宣言が発出され、社会全体が緊張感に包まれている。教育現場にいる一人として、生徒たちの学びを守る立場として、さらに自宅学習期間が延びた場合には、何ができるのであろうか?

次回は、自宅学習期間中の本校での取り組みや挑戦していることをお伝えしたい。

 

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