「英語でも理解できる」・「英語でも伝えることができる」力を、「英語のみで学ぶ環境」で身につけることを目的とすることを「リュウガク」と定義すれば、英語のアウトプット機会を求めたり、異文化交流に重きを置いたプログラムは、「留学」とは言えない。また、「英語のみで学ぶ環境」を、「留学」のもう一つの意義であれば、英語圏だけの渡航が「留学」とは言えなくなるだろう。もちろん、英語が身の回りにあふれ、常に英語を学べる環境を求めれば、英語圏の現地の学校で、長期間学べるのが良い。
だが、中高時代の限られた時間の中で、あるいは大学生や大人になった時でも、長期間にわたる本当の「リュウガク」を行うのは難しい。だからこそ、中高時代に限界まで「英語のみで学ぶ環境」を提供しているのが、本校のDDP(ダブルディプロマプログラム)であり、現地校で「英語のみで学び」、「英語でも考え、伝えられる」ようになり、しかも卒業あるいは修了資格を得られるので、現在のところ最も理想的な「リュウガク」のスタイルであると高い評価をいただいている背景でもある。しかし、現地での生活面や費用面などを考えれば、誰でも…というわけにはいかず、やはり「留学」といえば、今までのようなスタイルになってしまう。
しかし、これでは「本物のグローバル社会の視点」を持った教育は難しいし、相変わらず、「留学」は一部の生徒のためにある「プログラム」となってしまう。この状況を打破し、広く多くの方に学びの場を提供したいというオモイで、「Webを活用した留学的なプログラム」や「国内でネイティブの方と学べる環境」を提供している学校も多くみられるようになってきた。もちろん、このような取り組みで、学びの選択肢やスタイルが多くなったのは良いことだが、Webでの留学だと「オンライン英語講座」に近くなるし、ネイティブの講師と学んだとしても「一過性の英語環境」になる可能性は高い。
これらの課題を解消するために、特に幼少期から英語力やグローバルな視点を持たせたいと考えて、いわゆる「インターナショナルスクール」に通わせるケースも見聞きするが、もともとは「帰国生を対象」としているし、一定の「海外生活の経験」や少なくとも「自分の意見を英語で伝えるレベル」にいないと、インターナショナルスクールに通っても、国内の教育にも、海外の教育にもなじめずに「中途半端な学習歴」になってしまう。実際、インターナショナルスクールに在籍していて、多額の学費を納めてきたにも関わらず、在籍中も卒業時も苦労している生徒や保護者の方を多く見てきた…。
「英語のみで学べる環境」「英語でも理解し伝えることができる能力」をつける…という「リュウガク」の要素を取り入れた学びの環境は、国内にはないのであろうか?
実は、先進的な学びをしている学校には、この点に気が付いて、すでにネイティブ教員を数多く加えて、英語以外の教科も英語で授業を行う、「イマージョン授業」や「CLIL型授業」を取り入れているところが出始めている。このような取り組みをしている学校は、いずれも人気校となり、次世代の教育を先んじて進めているとして高い評価を得ている。
そして、これを発展させ、なんと!「海外のインターナショナルスクール」ごと、学校環境や学習プログラムに取り込んでいるところも出てきているのである!たしかに、「英語が当たり前の環境」で、「英語のみで学べ」、「海外の教え方や学び方」を身近に感じることができ、しかも安心で安全な「国内」で…ということになれば、今までの「留学」や「英語で学ぶ環境」の概念も変えてしまうであろう。現状では、学校の教務的あるいは運営的な枠組みがあるので、難しいのであるが、いつか、これらの枠組みが緩和され、本物のグローバル教育を求める生徒や保護者、社会的風潮が高まれば、「ブレンディッド・インターナショナルスクール」的な学校ができるかもしれない。
このブログで綴ってきた「次世代の学び」を、すべて実践できるような「ガッコウ」は、このようなスタイルなのかもしれないし、実現した際には、相当に大きな「教育的」「社会的」変化を起こすことになるであろう…。
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