2021年度 中学受験の変化と次年度のトレンド①

2021年度入学生を対象とした中学受験も終わりを迎えつつある。今年度は、新型コロナウイルス感染症の拡大防止を講じながら志望校や受験校を選定することになったため、試行錯誤の選択だったのかもしれない。特に、私立中学の情報を一度に得ることができ、比較検討することができる「外部会場での説明会」が、ほとんど中止となり、各学校が開催する校内での説明会も規模を縮小して行わざるを得なかった。中には対応を慎重にし、来校しての説明会をほとんど中止した学校もあったと聞く。

このような状況を、大きな社会変化のチャンスととらえ、スキルやリソースを活用して、新たな募集活動を行った学校も数多く誕生した。1年前では考えられなかったほど、「Web」を活用し、新たな募集活動が始まったといえる。それゆえ受験生のご家庭では、逆に学校へ足を運ぶことなく、複数校を比較することができ、また普段は見られない内部の様子までも知ることができ、よりよい志望校選択ができたという話も聞いている。いわば、今までの志望校選択の仕組みは、パンフレットを読んで、学校の説明会に参加して、その場で見聞きするため「一元的」ともいえる。そこに、Webでの情報が加わり、中にはHP上でいつでも閲覧ができるため時間を気にせずに「二元的」に考えることができるようになった。また、外部説明会でキャッチされたり、余計な時間や説明を聞くことなく、家族で検討して、自ら学校を選択する傾向が、より強くなったのかもしれない。

そのため、実際に志望校を選択し、入学する学校は、Webでのスキルが高く、まるでTVのように素晴らしい放映をしたところに限らず、「教育の理念」「教育プログラム」「将来への期待値」などがより重視されたような気がしている。もちろん昨年同様に、大学附属校の人気は手堅く、新規の共学校や高偏差値帯の学校は揺るがない支持が集まっている。そこに、新たな要素として、伝統に裏打ちされた「ネームバリュー」がある学校、言い換えれば「ブランド校」が再認識されたように感じている。

伝統や実績に裏打ちされたブランド校は、実績や偏差値帯などハードな面だけでなく、今までの積み重ねや信頼感、安定感など、このような社会変革が起こる時期だからこそ、手堅く受験生からの支持を得たのかもしれない。外部の大規模説明会が無いことで、他の学校を気にすることなく、自分が目指した学校や期待している学校に絞って、しっかりと選択することができたのかもしれない。情報が限られているため、最初に比較する学校数が少なかったことから、選択した学校が、いかに丁寧な教育を重ねてきたのか、在校生の評判はどうであるのか、今後も変わらずに教育が続くのか…などを加味して、選択したのかもしれない。

ここ数年の中で、今年ほど「偏差値や合格実績で選択した…」という受験生の声を聴く機会は少なかった。数年前から、偏差値だけの学校選択でないトレンドがあったが、それが今年は表面化した年だったのかもしれない。本校(神田女学園)でも、おかげさまで昨年度より約1.3倍の受験生と入学者にご支持いただいたのだが、高学力帯や第一志望の受験生が、かなり多かった。本校は、130年に渡る伝統の女子教育校でもあるので、他の伝統校と比較いただいたり、次世代の教育を行う学校と併願いただけたりと、様々な角度から、本校を選択していただけたように感じている。

今年のトレンドを受けて、次年度2022年度の中学入試は、どのようになるのであろうか…。一つの仮説があるので、次回に紹介したい。

 

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